令和5年1月に経営事項審査の法改正があったことがご存じでしょうか?経審を継続して受審されてきた事業者様はもちろんご存じのことと思います。

この中でも建設機械の保有状況では、評価対象とある機会が大幅に広がりました。
そのため何が評価対象として加えられたのかを正しく理解していないと、本来は評価対象となるはずだった建設機械の記載漏れがあった…ということにもなりかねません。

本日のブログでは、佐賀県の運用(2024.4時点)にのっとって詳しくご説明いたします。
ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。

締固め用機械(ロードローラー・タイヤローラー・振動ローラー)

今回の法改正で新たな加点対象となりました。確認資料は以下の通りです。

  • 特定自主検査記録表の写し
  • 所有又はリースを証明する書類(契約書や販売証明書等)
注意が必要な点

経審の評価対象となるのは、自走能力があるものに限られていますので、特定自主検査の対象とならない自走能力がない建設機械は評価の対象とならないことに注意しなければなりません。

解体用機械(ブレーカ・鉄骨切断機・コンクリート圧砕機・解体用つかみ機)

こちらも同じく法改正で新たな加点対象となりました。確認資料は以下の通りです。

  • 特定自主検査記録表の写し
  • 所有又はリースを証明する書類(契約書や販売証明書等)
注意が必要な点

ベースとなる機械のアタッチメントを交換することで解体用機械として使用する場合、他の種類の機械で既に挙げているものと重複して加点対象とすることは出来ませんので、どちらか一方でのみ記載することになります。

高所作業車

こちらも同じく法改正で新たな加点対象となりました。確認資料は以下の通りです。

  • 特定自主検査記録表の写し
  • 所有又はリースを証明する書類(契約書や販売証明書等)
  • 作業床の高さが2m以上であることの分かる書類(カタログなど)
注意が必要な点

加点対象となるのは、作業床の高さが2m以上の高所作業所が評価対象となります。
それを確認するためのカタログなどの書類を添付する必要があります。

ダンプ(ダンプ・ダンプトレーラー・ダンプセミトレーラー)

車検証の車体の形状欄に「ダンプ」「ダンプトレーラー」「ダンプセミトレーラー」と記載されているものが、新たな加点対象となりました。
なお、以前は最大積載量が5トン以上のものだけが評価の対象となっていましたが制限が撤廃され、小型のダンプであっても評価の対象となりました。

確認資料は以下の通りです。

  • 車検証
  • リース契約書や販売証明書等
    ※自社所有の場合は車検証のみで可
注意が必要な点

土砂の運搬が出来ることが評価の大前提ですので、車検証の備考欄に「積載物は、土砂等以外のものとする」などの記載がある場合は評価の対象とすることが出来ません。

また、令和5年1月の法改正で車検証の記載事項が変更になり、経審の審査に必要な事項がICチップを読み取ることでしか確認が出来なくなりました。ただし、車検証の受け取りの際に「自動車検査証記録事項」というA4サイズの書類を一緒に受け取っておられるはずですので、経審の際にはいわゆる車検証の写しではなく「自動車検査証記録事項」を提出してください。

なお、「自動車検査証記録事項」をなくしてしまった!!という場合でも安心してください。陸運局に行けばICチップの読み取り印刷ができる機会が設置されているとのことです。

すべての機械で注意が必要な点

これまで4種類の機会について、新たに評価対象となったことを説明してきました。
中には、法改正で新たに評価対象になったが機械自体は何年も前から所有していたということもあるかもしれません。そのような機械について、所有を証明する書類として売買契約書や領収書や請求書などの書類がもうない…ということも考えられます。

このような場合でも、すぐにあきらめる必要はありまません次の書類が準備出来れば加点してもらえる可能性がありますので、書類を準備したうえで申請先に相談してみましょう。

販売証明書を新たに発行してもらう

販売会社に連絡をして、販売証明書が発行してもらえるか確認してみましょう。購入したときの販売元が現在も存在していて、購入時の記録が販売元に残っていれば証明書が発行してもらえる可能性があります。

ただし、販売証明書の発行を依頼してすぐに出してもらえるかどうかは分からないので、期限に余裕をもって依頼をしましょう。

固定資産の一覧等

決算書に添付している固定資産の一覧や減価償却の計算表などに対象となる建設機械の記載があり、取得年月日が分かれば加点してもらえる可能性があります。

その他、何らかの公的書類から申請会社が所有していることと、取得年月日が分かれば評価してもらえることもあります。

まとめ

今回は、令和5年1月の法改正において経営事項審査で新たに加点対象となった建設機械について解説をしました。

本来評価の対象となったはずなのに記載が漏れている機械があった場合は、次の経審までにしっかり書類等を準備して確実に加点をもらえるようにしましょう。

このように法改正でせっかくプラスで加点がもらえたのに情報のキャッチが遅れる…ということがないように、ぜひ幣所の公式LINEをお友達追加して、最新情報を見逃さないようにチェックしてください。

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