建設業許可を新規で取得する場合、まずは自社が扱う工事が建設業法上のどの業種に該当するのかを検討する必要があります。
建設業許可には29種類の業種が存在しています。その中でも管工事について解説します。
建設業法上の管工事とは?
建設業許可事務ガイドラインによると、管工事は以下のように定められています。
冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事
管工事とは具体的にどんな工事なのか?
管工事は例えば以下のような工事が該当します。
冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、空気調和設備工事、給排水・給湯設備工事、厨房設備工事、衛生設備工事、浄化槽工事、水洗便所設備工事、ガス管配管工事、ダクト工事、管内更生工事
などです。
管工事で建設業許可を取得するための要件は?
管工事の建設業許可を取得するためには、要件は以下の通りです。
- 建設業に係る経営業務を適正に行うに足りる能力を有すること(経営上の責任者がいる)
- 営業所に専任技術者がいること(技術上の責任者がいる)
- 誠実性を有すること
- 財産的基礎を有すること
- 欠格要件に該当しないこと
- 適切な社会保険に加入していること
管工事の建設業許可を取得する場合でこれらのすべての要件を満たす必要があります。
この中でも「1.建設業に係る経営業務を適正に行うに足りる能力を有すること(経営上の責任者がいること)」「2.営業所に専任技術者がいること(技術上の責任者がいること)」が特に複雑で、「管工事を施工するために必要な経営の責任者と技術上の責任者がいます」ということを証明していかなければなりません。
経営上の責任者になれるのはどのような人か?
経営上の責任者のことを経管(けいかん)と呼ぶこともあります。管工事において経管になることができるのはどのような人なのかを解説したいと思います。
- 建設業に関し5年以上の経営業務の管理者としての経験がある人
- 建設業に関し経営常務の管理責任者に準ずる地位で5年以上の経営業務を管理した経験がある人
- 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位で6年以上経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験がある人
法人であれば常勤役員の中の誰かが、個人事業主であれば事業主本人が、上記の要件のいずれかを満たしていれば経管になることが出来ます。
上記の要件を満たす人がいない場合でも、複数の人の経験等を合わせて、一人では要件を満たすことが出来なくても組織としてなら経営業務の管理体制を整えることが出来そうだということを証明できれば許可を取得できる可能性もあります。
それは以下のようなパターンです。
- 建設業の財務管理、労務管理又は業務運営のいずれかの業務に関し、建設業の役員等の経験2年以上を含む5年以上の建設業の役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位における経験がある人
- 建設業の役員等の経験2年以上を含む5年以上の役員等の経験があるひと
上記のどちらかの要件を満たす人に加えてさらに、経営業務の管理業務を「直接補佐補佐する人」を配置する必要があります。直接補佐する人とは次の通りです。
- 財務管理の業務経験、労務管理の業務経験、運営業務の業務経験について5年以上の実務経験がある人
- 一人が複数の経験を兼ねることが可能
- 実務経験は申請会社での経験である必要がある
- 「直接補佐する人(立場)」である必要がある
管工事の専任技術者になれる人はどのような人か?
技術上の責任者のことを専技(せんぎ)と呼ぶこともあります。管工事において専技になることができるのはどのような人なのかを解説したいと思います。
管工事に関する国家資格を持っている人
- 1級管工事施工管理技士
- 2級管工事施工管理技士
- 機械 「流体工学」又は「熱工学」 ・ 総合技術監理 (機械 「流体工学」又は「熱工学」)技術士
- 上下水道 ・ 総合技術監理 (上下水道)技術士
- 上下水道 「上水道及び工業用水道」 ・ 総合技術監理 (上下水道 「上水道及び工業用水道」)技術士
- 衛生工学 ・ 総合技術監理 (衛生工学)技術士
- 衛生工学 「水質管理」 ・ 総合技術監理 (衛生工学 「水質管理」)技術士
- 衛生工学 「廃棄物管理」 ・ 総合技術監理 (衛生工学 「廃棄物管理」)技術士
- 給水装置工事主任技術者 +1年以上の管工事に関する実務経験
- 冷凍空気調和機器施工 ・ 空気調和設備配管技能士(2級の場合は3年以上の実務経験が必要)※平成16年4月1日以前に合格していた場合は実務経験1年以上
- 給排水衛生設備配管技能士(2級の場合は3年以上の実務経験が必要)※平成16年4月1日以前に合格していた場合は実務経験1年以上
- 配管・配管工技能士配管技能士(2級の場合は3年以上の実務経験が必要)
※平成16年4月1日以前に合格していた場合は実務経験1年以上
※職業訓練法施行令の一部を改正する政令(昭和48年政令第98号)による改正後の配管とするものにあっては、選択科目を「建築配管作業」とするものに限る - 建築板金「ダクト板金作業」(2級の場合は3年以上の実務経験が必要)※平成16年4月1日以前に合格していた場合は実務経験1年以上
- 建築設備士 +1年以上の管工事に関する実務経験
- 計装 +1年以上の管工事に関する実務経験
※色付きの資格は特定建設業の専任技術者になることが出来ます。
管工事に関して10年以上の実務経験があること
管工事について10年以上の実務経験があれば専技になることが出来ます。ただし、複数業種の許可をいずれも実務経験で許可を取得する場合は、その実務経験期間は重複させることが出来ません。
管工事に関連した指定学科を卒業後一定期間の実務経験がある場合
【管工事の指定学科】
- 土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科を含む。)
- 建築学
- 機械工学
- 都市工学
- 衛生工学
【実務経験の年数】
- 大学卒業 + 3年以上の実務経験
- 高等専門学校卒業 + 3年以上の実務経験
- 高等学校卒業 + 5年以上の実務経験
その他の許可要件
その他に、誠実性の要件、財産的基礎要件、欠格要件に該当しない、適切な社会保険加入という4つの要件を満たす必要があります。
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