こんにちは。佐賀県の建設業専門行政書士、天山恵理子です。
本日は決算変更届についてです。
建設業許可を取得すると、毎年決算をむかえたら4か月以内に決算変更届を提出する必要があります。
(各都道府県にとり名称が異なる可能性があります)
提出する書類の中でも、工事経歴書の書き方に悩まれる方は多いのではないでしょうか?
手続のルールは申請先により多少異なるため、それぞれ確認が必要となってきますが、ここでは佐賀県のルールを確認していきたいと思います。
工事経歴書の書き方のルール
工事経歴書の書き方のルールは、経営事項審査を受ける場合と受けない場合とで異なります。
特に、経営事項審査を受ける場合のルールはかなり複雑で、決算変更届は一旦受理されたものの、経審の審査の場で間違いを指摘されて補正の指示を受けることもあります。
最悪の場合だと、翌月の経営事項審査に持ち越しとなる場合もあり得ます。
経営事項審査を受けない場合のルール
経営事項審査を受けない場合は、元請・下請関係なく金額の多いものから順番に書きます。
何件くらいの工事を書けばよいのでしょうか?
この場合は以下のルールとなります。
①元請・下請関係なく完成工事高の7割に達するまで
②①の基準に達する前に少額工事工事(500万円未満)を10件記載した場合にはそこまででストップしてよい
③税込みでも税抜きでもどちらで作成してもよい(免税事業者は税抜きで)
基本的には完成工事高の7割に達するまで記載する必要があります。
しかし、電気工事や内装工事など比較的請負金額が少額である場合が多い業種で7割まで記載しようとすると、何枚にもわたって書かなくてはいけなくなるため、②のルールを適用して10件書けばよいですよ・・・ということになっています。
経営事項審査を受ける場合のルール
次は経営事項審査を受ける場合のルールです。
こちらは、上記と異なり少し複雑ですので順番に見ていきましょう。
①元請工事を元請の完成工事高の7割に達するまで金額が大きい順に記載
②①以外の工事で金額の大きい順に全体の完成工事高の7割に達するまで記載
③①②のルールに従って記載する中で途中で少額工事(500万円未満)を10件記載した場合はそこまででストップしてよい
※ただし、500万以上の工事はその他にまとめることは出来ず必ず記載しなければならない。
④原則税抜きで作成すること(免税事業者の場合は税抜きで可)
少額工事500万円に消費税は含むのか?
これまで、少額工事10件記載した場合に適用されるルールがあると解説しました。
この500万円は消費税を含んだ金額を言います。
経営事項審査を受ける場合の工事経歴書は税抜きで作成する必要がありますので、例えば税抜きで490万円となっていても税込みだと539万円となり、500万円を超えてしまうため少額工事ではありません。
10件をカウントするときに税抜きの金額でカウントしてしまうと、「あと1件足りませんよ!」と指摘されてしまうこともありますので注意が必要しましょう。
よくある間違いは?
工事経歴書の作成でよくある間違いをご紹介します。
①経審を受ける場合でも元請と下請を混ぜて書いてしまう
先にもご説明したように、経営事項審査を受ける場合では元請工事を先に記載する必要があります。
しかし、ルールを勘違いしてしまって元請・下請関係なく請負金額の大きいものから順に書いてしまう場合があります。これだと、確認が必要な工事の記載が漏れていることになり補正の指示を受けてしまします。
②その他工事に間違いなく500万円を超える工事が含まれるの記載がない
例えば、その他2件でそのまとめられた金額が1000万円だった場合、確実にどちらか1件は500万円を超えていることになります。
請負金額に記載すると下位の金額であっても、500万円を超える工事はその他にまとめることができませんので、詳細を記載する必要があります。
③全体の完成工事高は7割達しているが元請は7割に満たなかった
これは、よくある間違い①をやってしまう結果起こりがちな間違いではあります。
まずは元請7割、その後元請・下請関係なく全体7割に達するまでを記載します。
もし間違いに後から気づいたら?
作成した書類を何度も確認したのに、後で見返したら間違いに気づいてしまった・・・なんてことがあっても大丈夫です。
慌てず正しい書類を作成して、差替えの手続を行いましょう。
申請先の土木事務所へ持参すれば県の控えの方も差替えの手続を行ってくれます。
一番よくないのは、間違いに気づいていながらそのままにすることです。どうしてもどう対応したらよいか迷う場合は、県の担当者に相談してみましょう。
決算変更届の提出を忘れていたらどうなるの?
決算変更を忘れていたからといって直ちに何らかの処分がなされることはあまり考えにくいですが、決算後4か月以内に決算変更届を提出することは法令できちんと決められていますで、期限を必ず守るようにしましょう。
また、建設業許可は5年ごとに更新する必要がありますが、提出するべき決算変更届が出されていない場合は、更新の申請を受け付けてもらえません。
絶対に「まとめてやればいいやー」とは思わず、必ず期限内に手続を済ませるようにしましょう。
どうしても書類作成まで手が回らないときは?
とはいえ、従業員さんが少ない会社や一人親方さんの建設業者さんでは、日々の現場作業で手一杯になってしまい、書類作成まで手が回らないという方も多いかもしれません。
そんな時は、建設業専門の行政書士に相談してみましょう。
幣所では、お見積もりまでは無料で対応いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
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